建設事業の開始時に提出する書類まとめ
新規に建設工事を行う際に労基署へ提出する書類をまとめた。
提出要件や曖昧な表現に対して線引きもしているが、
あくまで当社基準なので、迷った場合は労働基準監督署に直接確認するのがよい。
(それでも曖昧な回答しか返ってこない場合も多々あるが。。。)
ちなみに、ほとんどの労基署は郵送でも対応してもらえるし、
電子入力で受け付けてくれるところもある。
でも、曖昧な部分の確認や何かあったときの対応のために
時間があれば直接訪問して名刺でも置いてくると後で助かったりする。
「逆に目をつけられて労基署の査察を受けるのでは」という意見もあるけど、
そういう人は労基署に入られてはまずいことをしているのではないかと思う。
1 労災関係
1つの工事で1億8千万円以上の工事は 単独有期事業として労災の手続きを行う。
下記の3種類の書類を工事を行う住所の管轄の労働基準監督署に提出する。
①保険関係成立届
労働保険番号を新しく振ってもらうための書類。
保険関係が成立した日の翌日から起算して10日以内に提出する。*1
全国共通の用紙がある。
3枚複写になっていて、すべてに捺印が必要。
最下部に会社の法人番号を記入する欄があるので調べておくとよい。
(「会社名 法人番号」でググるとすぐ見つかる)
②概算保険料申告書
労働保険の金額がいくらになるかを提出する書類。
保険関係が成立した日の翌日から起算して50日以内に提出する。 *2
都道府県の労働局ごとに用紙が異なる。
記入部分の下部に付いている労働保険の振込用紙が異なるだけなので、
手持ちの申告書を持参すれば工事が行われる都道府県の労働局向けの振込用紙を発行してもらえる。
2枚複写式になっていて、すべてに捺印が必要。
③労働保険代理人選任届
①保険関係成立届と②概算保険料申告書の事業者の欄に社長(会社の代表者)以外を
指定する場合に提出する。
当社では工事部門の部長名で提出することが多いので、毎回作成している。
厚生労働省のHP上にフォーマットファイルがあるので、それを使用する。
記入方法などややこしいので、下記のサイトが参考になる。
2 特定元方事業者の事業開始届
下請け業者を使用することを労働基準監督署に報告する書類。
書式は様々だが、内容はおおむね同じ。
本紙と控えを作成し、一枚は持ち帰って事務所で保管する。
※労働者数が50人を超える場合には「統括安全衛生責任者」を選定する
※統括安全衛生管理者を選任した事業者のうち、建設業に属する事業者は「元方安全衛生管理者」を選任する。
つまり、建設業の業種であれば、統括安全衛生責任者を選定すると同時に元方安全衛生管理者も選定しなければならない。
3 適用事業報告
労働者を雇い入れたことを労働基準監督署に報告するための書類である。
正規社員も契約社員も派遣社員もアルバイトも全員適用される。
事業開始届けと同様、本紙と控えを作成し、一部は持ち帰って保管する。
※「特定元方事業者の事業開始届」と、「適用事業報告」は
建設現場の場合、すでに上位の営業所で提出していれば不要となる場合もある。
曖昧な場合は労基署に確認したほうが良い。
4 就業規則
労働者が10人以上で、事務所などを設ける場合に必要。
・会社の就業規則と給与規定(管理職、非管理職)
・就業規則届
・意見書(労働者代表の記名、捺印があるもの) *3
上記の本紙、控えを作成し、所管の労働基準監督署に届ける必要がある。
5 36協定
事務所を設ける場合に必要
本社と同一の場合がほとんどなので同様のものを作成する。
(事業主と労働者代表の記名、捺印が必要)*4
6 まとめ
以上の書類を事業開始後すぐに準備する必要があるため、繁忙期にぶつかったりすると
かなり忙しくなる。
書類作成は「慣れ」も大いに関係していると思うので、様々なパターンを経験する必要があると思われる。
また、冒頭にも記載したが、曖昧な部分は所管の労働基準監督署に直接聞くのが一番良い手段である。
直接尋ねて名刺交換をすることで、労働基準監督官の誠意ある対応も期待できる。
私はシステム屋でもあるので、古臭いやり方はあまり好まないのだが、
これは効果があると実感していることもあり、続けていきたいと思う。