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【読書感想文】 Think CIVILITY 礼儀正しさこそ最強の生存戦略である

 

 

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正直、ちょっとあまりピンときませんでした。

他人に対して当たりが強かったり、不快な言動が多い人(本書内では「無礼な人」と言っています。)のいる職場というのは、生産性が低いんだろうなぁというのはなんとなく皆感じていることだと思います。

それに関して、本書では実際の実験例なども用いながら説明してくれています。

そして、大体はその通りなんです。

 

まず「無礼」であることについてのデメリットに関しての説明があり、

それから、礼儀正しくすればこんな良い事があると、そういう組立てでいかに礼儀正しいことが良いかという事を説明してくれます。

 

それはいいんです。それは。


ただ、あんまり言いたくないですけど
全部ただの理想論というか空論というか、どことなくコンサルを受けているような感じを受けます。

 

どういうことかというと、

「礼儀正しい事はこんなにすばらしいんですよー」

ってどんなに言ったところで、他人に害を与える人はいますし。なかなか実際に仕事をしていると避けられない場面も多くありますよね。

 

人を不快にさせるような人と接しながら、それ以外の人には聖人君主のようにふるまえと言っているのでしょうか。

それこそ病気になってしまう人が続出しそうですね。

 

 

また、礼儀正しくしている人が必ず出世する、「無礼」なのに出世している人は礼儀正しくすればもっと出世したのにもったいない。

というようなことが書いてありますが、

 

仕事を山ほど抱えていて、

いっぱいいっぱいになっているところへ部下がつまらないミスをして予定が狂ったとかいうのであれば激怒する気持ちも分かりますし、良くあることです。

そこで礼儀正しく振舞えるのなら、

それって単純に能力が高いだけなんじゃないの?と思います。

部下に対しても礼儀正しく接しなければいけませんって、そんなの誰だって言われなくたって分かってますよ。ただ、出来ない気持ちもわかるなぁと。


礼儀正しく「しない」のではなく、「できない」んです。

それをもったいないとか言われてもなぁ、と思います。

いやまぁそりゃ出来たほうがいいんでしょうけど、

現場を見ないでこうしたほうがいいですね、っていう助言だけして、それが出来れば苦労はしないよねと返されて終わってしまうよくあるコンサルの失敗例と同じな気がします。

 

それと、「無礼」という訳語が気になります。

「礼儀正しい」の反対の言葉として使っていますが、

「無礼」なだけではそんなに人に対して害は与えないと思うんです。

意味的には「相手にとって不快な言動をする人」という意味で使っているんですが、

もうちょっといい訳語は無かったもんかと。

全体的にはもっともらしいことを言っています。
腑に落ちない部分もある。ということです。